2026年7月25日の記録
スピードは、作業を急ぐことで生まれるんじゃない。
同じ迷いと修正を繰り返さない型を作ることで生まれる。
100日チャレンジ57日目。昨日から進めていた、スタッフ教育用のトークマニュアル。今日は残っていた12枚をすべて生成して、最初のトークマニュアルを完成させた。
昨日までに、内容やデザインの中でも特に重要な部分は確認できていた。そのため今日は、残りのスライドを生成して細部を整えれば終わる予定だった。
実際、12枚のうち11枚は大きな問題なく完成した。ところが最後に残った1枚の微調整だけが、想像以上に直らなかった。
修正したかったのは、スライド全体のデザインでも文章の内容でもない。上下2列に配置されたイラストを中央に揃えたい。それだけだった。しかしその「それだけ」が何度指示しても修正されない。
久しぶりに、画像やスライドをAIで生成するときの面倒くささを強く感じた一日でもあった。
ただ、その修正に時間を使ったからこそ、次のトークマニュアルはほぼ一発で完成した。今日作れたのは27枚の資料だけじゃない。今後、トークマニュアルを継続的に増やしていくための「制作の型」だった。
12枚を生成して、修正が必要だったのは1枚だけ
昨日までにトークマニュアル01の中心となるスライドはチェックできていた。今日は残っていた12枚をすべてCodexで生成した。
構成やデザインの基準はすでにできていたため、ほとんどのスライドはそのまま使える状態で出力された。以前であれば、1枚ずつ構成を考えて、文章を整理して、デザインを合わせて、イラストを探して配置を調整して、という作業が必要だった。今回は、最初に作った構成とデザインルールを基準に残りをまとめて生成できた。
問題があったのは、その中の1枚だけだった。上下に二つの四角い枠があり、その中にそれぞれイラストが配置されているスライド。外側の四角はきれいに揃っている。ただ、中に入っているイラストの位置が微妙にずれていた。
見た瞬間に大きな違和感があるわけではない。しかし上下で比較するレイアウトだからこそ、少しのズレが気になる。スタッフが見る正式なマニュアルとして残すなら、ここは揃えておきたかった。
「中央に揃える」だけでは、修正対象が伝わらなかった
最初は単純に「上下のイラストを中央揃えにしてください」と指示した。これで直ると思っていた。
ところが出力されたスライドを見ると、ほとんど変わっていない。何度か修正を繰り返すうちに、外側の四角だけが調整されていることに気づいた。四角の位置はすでに揃っている。自分が動かしてほしいのは、その中に入っているイラストだった。
つまりAIは「中央揃え」という指示自体を無視していたわけではない。こちらが意図した対象と、AIが修正対象として認識したものが違っていた。
生成AIへの指示では、何を変えたいのかだけでなく、どの要素を、どの位置から、どこへ動かすのか、何を変更してはいけないのかまで分解して伝える必要がある。OpenAIのプロンプトに関する公式ガイドでも、望む出力を安定して得るには、指示を明確かつ具体的にし、出力を確認しながら反復的に改善することが推奨されている(OpenAI「Prompt engineering best practices for ChatGPT」)。今回もまさに、一度の指示で完成させるのではなく、出力を見て認識のズレを特定する作業になった。
ただ、修正対象を「枠ではなく、中のイラスト」と明確にした後も、今回は簡単には直らなかった。
正しい指示を出しても、過去の生成結果に引っ張られる
修正したい対象を特定した後は、指示もかなり具体的にした。外側の四角は変更しない、上下の枠の中にあるイラストだけを動かす、それぞれのイラストの中心を四角の中心に合わせる、サイズは変更しない。
それでも出力結果は思ったように変わらなかった。何度修正しても元の配置に近い状態へ戻ってしまう。同じスライドを何度も書き直していたため、途中までの修正内容や以前の生成結果が複雑に残り、どの状態を基準に直しているのか分かりにくくなっていた可能性がある。
そこで、ただ修正を繰り返すのではなく、Codexに原因自体を調べてもらうことにした。「なぜ指示した位置に移動しないのか」「どの要素が配置を固定しているのか」「現在の修正を続けるより、作り直した方がいいのか」。完成物を生成させるだけでなく、エラーの原因を分析する側にもCodexを使った。
その結果、一度現在の状態をリセットして、基準となる構造から作り直した方がよいという判断になった。
途中では「この程度のズレなら、もうそのままでもいいのではないか」と何度も思った。実際、1枚の数ミリのズレに、かなりの時間を使っている。効率だけを考えれば、そこで終わらせる選択もあった。
それでも今回は、この資料だけを完成させることが目的ではなかった。この先、同じ型でトークマニュアル03、04と増やしていく予定がある。最初の基準にズレを残すと、そのズレまで次の資料に引き継がれる。だからこそ最初の型を作る段階では、多少時間がかかっても原因まで確認しておく必要があった。
1枚に時間を使ったことは、本当に非効率だったのか
表面的に見ると、今日は1枚の修正でかなり時間を失った。しかし長期的に見ると、その時間がすべて無駄だったとは思わない。
今回分かったのは、単に「イラストがずれていた」ということじゃない。外枠と中身を別の要素として指定すること、修正する対象と変更しない対象を分けること、同じ修正を繰り返しても直らないときは原因分析へ切り替えること、履歴が複雑になった場合は修正を重ねるより作り直すこと。次回から使える判断基準が増えた。
反復的な制作では、最初から完璧なものを設計するのではなく、実際に作り確認し、問題を見つけて改善する。デザインの分野でも、試作品を作って検証し、その結果を次の改善へ反映する反復型の進め方が使われている。Nielsen Norman Groupも、複数案の検討と反復的な改善を組み合わせることが最終的な品質向上につながると説明している(Nielsen Norman Group「Parallel & Iterative Design + Competitive Testing」)。
今回も、最初の1枚を完璧に設計してから全体を作ったわけではない。実際に15枚を生成して、そこで起きた問題を確認して、次に使えるルールへ変えていった。
1枚だけを見れば修正に時間がかかりすぎたとも言える。しかしこれから何十本も作るマニュアルの基準を整えたと考えれば、意味のある時間だった。
この記事で扱っていること
トークマニュアル用の12枚を生成し、11枚は問題なく完成した一方で、最後の1枚の「イラストを中央に揃えたい」だけが想像以上に直らなかった日です。
1枚に時間を使ったことは、これから何十本も作るマニュアルの基準を整えた時間でもありました。
- 12枚を生成して、修正が必要だったのは1枚だけ
- 「中央に揃える」だけでは、修正対象が伝わらなかった
- 正しい指示を出しても、過去の生成結果に引っ張られる
- (note有料部分)その直後に次の12枚がほぼ一発で完成した理由と、次に改善する場所
この記事の重要ポイント
- 12枚のうち11枚は問題なく完成し、残った1枚の微調整だけが直らなかった
- 修正を繰り返すうちに、指示した対象とは別の場所だけが調整されていることに気づいた
- 1枚だけを見れば時間をかけすぎだが、これから作るマニュアルの基準を整えたと考えれば意味のある時間だった
この記事の後半は、noteの有料エリアです。
初出:note「DAY57|1枚の修正に苦戦した先で、資料を量産する型ができた」