小さな会社のAI導入は何から始める?最初の1か月でやったことと順番

小さな会社のAI導入は、「どのAIを使うか」より先に、毎日の仕事を記録する場所と、AIに当てる仕事を1つ決めるところから始めると進めやすくなります。私の最初の1か月(2026年5月31日〜6月28日)は、Notionで積み上げリストを作り、AIとの会話や資料の置き場所を整えてから、経営の数字やマニュアルづくりにAIを当てる順番でした。

この記事は、美容室Ponoを複数店舗経営し、小さな会社のAI活用をサポートしている私(Mogi)が、2026年5月31日から100日間AIを実務で使った記録のうち、最初の1か月を中心にまとめたものです。プロフィールはMogiについてにまとめています。

小さな会社のAI導入は、何から始めればいいのか

私の考えでは、最初にやることはAIツールを選ぶことではなく、「どの仕事に困っているか」を決めることです。

私が実践事例で整理している考え方は、次の順番です。

  1. どの仕事に困っているか
  2. 今どうやっているか
  3. 繰り返している部分はどこか
  4. AIに任せられる部分はどこか
  5. どう残せば次も使えるか

AIは、この5つの最後に当てはめます。私の場合、最初から自動化や高度な使い方を目指す必要はありませんでした。

ただ、私も最初からこの順番で動けたわけではありません。100日チャレンジの1日目(2026年5月31日)にやったのは、Notionに「積み上げリスト」を作ることでした。項目は、AI壁打ち、Googleビジネスプロフィール更新、LINE VOOM更新、Instagram更新、ブログ作成、発信内容の原案作成の6つです。

積み上げリストに連続日数も表示したくてNotion AIに聞きましたが、当時の私には複雑すぎたので見送りました。完成度より、動き出すことを優先した日です。振り返ると、毎日の仕事を書き出したことが、あとで「どの仕事にAIを当てるか」を考える材料になりました。

最初の1か月で実際にやったこと(順番)

最初の1か月(2026年5月31日〜6月28日)にやったことを、時系列で並べるとこうなります。

時期やったこと使ったもの記録
5月31日積み上げリストを作り、毎日の行動を見えるようにしたNotionDay1
5月31日Notionの初級講座を3時間ほど受け、ルーティンを3つに絞って運用開始NotionDay2
6月1日ChatGPTで作った文章をClaudeで掘り下げ、価値観をまとめた文書をNotebookLMに読み込ませたChatGPT・Claude・NotebookLMDay3
6月2日〜3日「思考ログ」と「AI壁打ちログ」を作り、アイデアを5段階の状態で管理Notion・ChatGPTDay4・Day5
6月4日ChatGPTに相談しながら、Google Driveのトップ階層を5つのフォルダに整理ChatGPT・Google DriveDay6
6月8日広告費・CPA・ROAS・広告費率を見る経営ダッシュボードを作成Grok・NotionDay10
6月10日〜15日カウンセリングの動画や資料をNotebookLMに集め、Q&Aを100個作成NotebookLM・ChatGPTDay12・Day13・Day17
6月18日テーマごとにChatGPTのプロジェクトを作り、過去のチャットを振り分けChatGPTDay20
6月27日7月〜12月の各月にKPIを3つずつ置き、年末から逆算する形にしたなしDay29
6月28日Meta広告のアカウント・Pixel・権限を、ChatGPTと1つずつ確認ChatGPTDay30

記録する場所をつくる(5月31日〜)

AIを使い始めて数日で、AIとの会話が増えすぎて「あの話どこでしてたっけ?」が起きるようになりました。そこでNotionに「AI壁打ちログ」を作り、アイデアを「アイデア/検証中/運用中/仕組み化/完了」の5段階で管理しました。

AI壁打ちログを残すだけで、考えが整理されることにも気づきました。AIとの会話は増え続けるので、会話を資産として残す場所が先に必要でした。

情報の置き場所を決める(6月4日〜)

6月4日は、一日の多くをGoogle Driveの整理に使いました。それまでは整理ルールがなく、必要なときに検索して探す運用でした。トップ階層を「01_経営/02_AI・学習/03_Pono/04_経理・契約/05_個人」に分けたとき、「整理とは片付けではなく、役割を決めること」だと感じました。

6月7日には、AIに相談するたびに自分のことをゼロから伝えていたと気づき、Claudeのプロジェクト機能を調べ始めました。同じ週に、新しいAI機能の講座を半分くらいで見るのをやめています。新しい知識を増やすより、今使っているものを深く使う方を選びました。

困っている仕事に1つずつ当てる(6月8日〜)

6月8日に、GrokからNotionのデータベースを作り、広告費・CPA・ROAS・広告費率を見られる経営ダッシュボードに実際の店舗データを入れました。広告費などの数字は前からありましたが、「あること」と「見えること」は違いました。

6月10日からは、スタッフ教育のためのカウンセリングのフローチャートにも取りかかりました。ChatGPTで動画が読み込めなかったので、「目的は動画を読むことではなく、カウンセリングを仕組み化すること」と考え直し、NotebookLMに切り替えています。その後、NotebookLMに集めた資料からQ&Aを100個作るところまで進めました。

AIの使い分けと目標を決める(6月下旬)

6月22日ごろには、長期的なプロジェクト管理ならClaude、壁打ちや瞬発力ならChatGPTという使い分けが見えてきました。6月27日には事業戦略を見直し、7月〜12月の各月にKPIを3つずつ設けました。

6月28日には、ChatGPTと一緒にMeta広告の設定を1つずつ確認しました。確認の結果、広告アカウントやMeta Pixelの所有者がWebパートナー側になっている部分があると分かりました。広告もPixelも正常に動いていたので、焦って移行せず、区切りのいいタイミングで自社側へ整理すると決めています。

1か月で変わったこと:質問してすぐ作業を続けられるようになった

最初の1か月で一番大きく変わったのは、作業が止まらなくなったことです。以前はパソコンに詳しい人に質問して、返事を待つ間は作業が止まっていました。20日目ごろには、スクリーンショットを送って質問し、すぐ返ってきた答えでそのまま作業を続けるのが当たり前になっていました。

ほかに変わったことは次のとおりです。

  • 広告費やCPAなどの数字を、感覚ではなく一つの画面で見られるようになった
  • 経営ダッシュボードやマニュアル作成など、「緊急ではない重要なこと」に手が届くようになってきた
  • 研修動画の内容を「要約 → フローチャート → マニュアル」へ変える流れを試し始めた
  • Meta広告のように、一人では怖くて触れなかった設定も、理由を理解しながら確認できた

AIの操作に慣れたあと、6月から8月にかけては求人の改善を集中的に行いました。施策を始めてから約2か月で、自社への直接問い合わせが5件あり、そのうち2名の採用が決まりました。2025年は、自社求人サイトからの直接問い合わせが年間2件で、採用は0名でした。詳しい経過は実践事例にまとめています。

最初の1か月でつまずいたこと

最初の1か月は、AIそのものより、使い始めの小さなつまずきで止まることが多くありました。失敗をまとめて知りたい方は、AI導入で失敗したことと対策もご覧ください。

5分のつもりの作業に30分かかる

100日チャレンジの2日目、Notionのデータベースの横幅を変える操作でつまずきました。講座では簡単そうにやっていたのに、AIに聞くと「その機能はありません」と返ってきて混乱しました。5分のつもりが30分かかると、やる気が一気に落ちます。最初から項目を増やしすぎず、まず回すことを優先しました。

スマホだけでは進まない作業がある

カルテシステムから出したCSVをNotionへ取り込む作業は、移動中のスマホではうまく進みませんでした。「スマホでできること」と「PCでやるべきこと」を分けて考え、MacBookをできるだけ持ち歩くようにしました。

新しいAIの情報を追いすぎる

6月上旬は、AIやNotionに夢中になり、発信する側より学ぶ側に寄っていた時期がありました。新しい知識を増やすより、今使っているものを深く使いこなす方が大事だと感じるようになりました。

AIだけでは解決できなかったMeta広告の確認

2026年6月26日、Meta広告の管理画面を整理しようとしたとき、スクリーンショットをChatGPTに送るだけでは原因自体が分かりませんでした。広告設定をお願いしているパートナーと画面共有で確認し、想定と違うクリエイティブが配信されていることに気づいて修正しました。全部を自分で抱えるより、自分が判断できる状態を作る方が大切だと感じました。

社内の情報をAIに入れることをどう考えたか

AI講座で、情報漏洩を「海にインクを一滴垂らすようなもの」とたとえる話を聞きました。もちろん、絶対に外に出してはいけない情報はあります。そのうえで、必要以上に恐れて触らない方がもったいないと判断しました。

自分の会社でAI導入を始める5ステップ

最初の1か月を振り返り、もう一度始めるならこの順番で進めます。

  1. 毎日の仕事を書き出す場所を1つ作る。私はNotionの積み上げリストでした。完璧な仕組みは後回しで構いません
  2. 書き出した中から、AIに当てる仕事を1つ選ぶ。よく繰り返す仕事、時間がかかる仕事、毎回説明している仕事が候補です
  3. AIとの会話と資料の置き場所を決める。会話のログ、資料のフォルダ、テーマごとのプロジェクトを分けておくと、あとで探さずに済みます
  4. 選んだ仕事で、小さな成果物を1つ作って使う。ダッシュボード1つ、マニュアル1枚で十分です。のちに私は、情報を入れ続けて完成形が見えなくなる失敗をしました。先に1つ出してみる方が、足りないものが見えます
  5. 1か月たったら、AIの使い分けと目標を見直す。どのAIに何を頼むか、月ごとに何を進めるかを決め直します

AIごとの使い分けは、ChatGPT・Claude・Claude Code・Codexの使い分けで詳しくまとめています。会社の資料や判断基準をAIに渡す方法は、会社の知識・判断基準をAIに覚えさせるをご覧ください。

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よくある質問

小さな会社や個人事業主でも、AIは使えますか?

使えます。私も最初はスマホ中心で、Notionを使えるようになりたいというところから始めました。大きな投資より、困っている仕事を1つ決めることの方が先でした。

最初はどのAIから使えばいいですか?

私はChatGPTから始め、3日目にはClaudeやNotebookLMも組み合わせて使いました。3週間ほど使ううちに、壁打ちはChatGPT、長期的なプロジェクト管理はClaude、というように自分なりの役割分担が見えてきました。「一番優秀なAI」を探すより、どの仕事をどのAIに頼むかを決める方が迷いませんでした。

AI導入支援を頼む前に、自分で決めておくことはありますか?

私なら、どの仕事に困っているかと、その仕事を今どうやっているかを先に書き出しておきます。私が実践事例で整理している順番は、困っている仕事、今のやり方、繰り返している部分、AIに任せられる部分、次も使える残し方で、AIは最後に当てはめます。私自身も、100日チャレンジの初日に毎日の仕事を書き出したことが、どの仕事にAIを当てるかを考える材料になりました。

有料プランにはいつ入るべきですか?

私は、使ってみて足りなくなってから判断しました。Claudeの無料プランは、作業の途中で利用制限が来ました。有料の拡張機能は、今すぐ必要ではないものを保留にし、コストと効果を確認してから判断することにしました。Notionも、フリープランで作れるチャートの上限(1つ)に当たりましたが、続けて使うか、行動が変わるかを見てから決めることにしています。

社内の情報をAIに入れても大丈夫ですか?

絶対に外に出してはいけない情報は入れない、という前提は必要です。そのうえで私は、必要以上に恐れて触らないより、使いながら判断する方を選びました。どの情報を入れるかは、会社ごとに決めておくことをおすすめします。

何から始めるか、一緒に整理したい方へ

個別サポートでは、AIツールを増やすことではなく、今の業務を整理するところから始めます。よく繰り返す仕事、時間がかかる仕事、判断が属人化している仕事、経営者しかできない仕事を棚卸しし、AIやSkillをどこへ入れるかを一緒に決めます。AI初心者の方、一人会社や少人数の店舗の方も対象です。

自分の会社では、どこから始めればいいか整理したい方へ

AIを増やす前に、どの仕事を変えると効果が大きいかを一緒に整理します。

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